情熱の行政書士 小中恵介ブログ [KEISUKE KONAKA’S BLOG]

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自己の取引上の地位の不当利用

(2)「自己の取引上の地位の不当利用」とは、取引上優越的な地位にある元請負人が、下請負人を経済的に不当に圧迫するような取引等を強いること

建設業法第19条の3の「自己の取引上の地位を不当に利用して」とは、取引上優越的な地位にある元請負人が、下請負人の指名権、選択権等を背景に、下請負人を経済的に不当に圧迫するような取引等を強いることをいう。

ア 取引上の優越的な地位
取引上優越的な地位にある場合とは、下請負人にとって元請負人との取引の継続が困難になることが下請負人の事業経営上大きな支障をきたすため、元請負人が下請負人にとって著しく不利益な要請を行っても、下請負人がこれを受け入れざるを得ないような場合をいう。取引上優越的な地位に当たるか否かについては、元請下請間の取引依存度等により判断されることとなるため、例えば下請負人にとって大口取引先に当たる元請負人については、取引上優越的な地位に該当する蓋然性が高いと考えられる。

イ 地位の不当利用
元請負人が、下請負人の指名権、選択権等を背景に、下請負人を経済的に不当に圧迫するような取引等を強いたか否かについては、下請代金の額の決定に当たり下請負人と十分な協議が行われたかどうかといった対価の決定方法等により判断されるものであり、例えば下請負人と十分な協議を行うことなく元請負人が価格を一方的に決定し当該価格による取引を強要する指値発注については、元請負人による地位の不当利用に当たるものと考えられる。